設立趣意書(抜枠) |
我が国の次代を担うべき青少年の健全育成は、いつの時代においても、社会全体で取り組むべき重要な課題である。しかるに、現在の我が国の青少年を見ると、その育成状況が必ずしも十分であるとは言えない。
平成4年1月、総務庁は「中学生の母親の日米比較」調査結果を発表した。その中で子供の学校外での活動を見ると、米国では、スポーツクラブ、宗教団体、ボーイスカウト等の青少年団体、ボランティア団体等を十分活用して、身体を鍛えたり、地域社会に貢献したりして、優しさや思いやりをはぐくむ活動に積極的に参加している。
しかし、我が国では、それらの活動に参加する青少年は少なく、学習塾、進学教室以外には余り所属していないことが判然とした。このまま放置すると、将来知力だけ優れた偏った人間ばかりが出現する心配がある。
現在我が国では、小学生の8割が書道、珠算、水泳教室というような「おけいこ教室」に通い、中学生の6割が学習塾に通っている。これらの教室は、従来学校の補完や受験指導をつかさどる事が多かったが、その中からも「最早学校の補完や受験指導だけの時代ではない」という声が出て来ている。
このような現在の青少年が置かれた環境を考慮し、本協会では、青少年育成指導者の養成・研修、意識啓発、調査研究などを通じて、青少年の育成基盤の整備を図る。青少年のボランティア活動等の社会参加活動の支援等を行い、青少年の健全育成に寄与していこうと考えている。
以上のような趣旨の下、ここに、広く青少年の育成に携わる方々の御協力を得て、社団法人「日本青少年育成協会」の設立を発起した次第である。
平成6年4月15日 |
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