JYDA再構築から10年! 皆様の『架橋力』発揮の1年に
※架橋力とは、人と人との間に心の橋を架ける力
人間は、一人では生きていけない。そして人間は、一人では耐えられないことも多い。
したがって、人と人とのつながりを大切にしてきました。
教育に携わってきて40年、創業の頃から片時も忘れていない私の想いであります。
受験に立ち向かう子どもたちにも、知識の詰込み重視の教育に偏ることなく、「人間力向上」を教育の一環として実践してまいりました。
さらにいつのころからか、この想いを『架橋力』という言葉に込めて、まわりの子どもたち、先生・スタッフとも、価値観を共有してまいりました。
この日本青少年育成協会のミッションは、前会長である佐々木喜一氏から受け継いだものです。このミッションをさらに遂行すべく、10年前になりますが、組織改革を断行し、若手の理事を登用し、名ばかりの古い理事には退任してもらい、一新をはかりました。
その改革の真意が次第に伝わり、新オフィスにはひっきりなしに役員や会員が集まるようになりました。会社間の垣根を越え、議論を交わし、想いが一つとなり、いくつかの事業が動きはじめました。
一方、我が国が抱える教育的課題は、社会の急激な変化に伴い、多様化・複雑化の一途を辿り、グローバル人材の育成、主体的・協働的学習方法(アクティブラーニング)の導入、道徳教育・志(こころざし)教育の整備といった課題や、いじめ問題・教育格差問題、さらには深刻化する環境問題等々、公の教育では追いつかない諸問題が湧き上がってきています。
これらの課題解決は、まさに我が協会の使命であり目的であります。当然、一人でできることは限られており、また一組織で、一団体でできることも限られています。今年(27年)度は、さらに会員の皆様の『架橋力』を発揮していただきたいと願っております。
我が協会の目的(定款第2章)を改めて見直しますと、委員会活動を通して、すでにこの『架橋力』を存分に発揮してくださっている会員が多くいらっしゃいます。ありがたいことに、手弁当で、場合によっては資金を提供してくださっている会員のみなさまには、ただただ頭が下がる思いです。そのいくつかをご紹介いたします。
・HSK世界第二位の受験者数の表彰
昨年8月、中国国家漢弁(Hanban)から突然連絡があり、当協会が表彰されるという大変名誉な機会に恵まれました。
これは平石HSK日本実施委員会委員長代行の並々ならぬご努力の賜物で、国と国の垣根を越え実現いたしました。政治的には日中関係が難しい中、また、日本国内では中国語検定受験者全体が減少する中、HSKだけは5年連続の受験者数増加を実現し、誇り高い実績を出すことができました。
そして、試験運営を行う上で欠くことができないのは、ボランティアで試験会場運営および会場確保にご協力くださっている全国の会員のみなさまと、試験監督官をはじめとする会場運営担当者の存在です。研修や試験監督業務を通して監督官同士が共同作業・文化交流を行うみなさまの『架橋力』が当事業の支えの一つとなっています。このような運営は日青協ならではのものだと思っております。1000名を超える方が試験監督官登録をし、活躍されていますが、その中からボランティアでマニュアルを作成するチームが生まれるなど非常に活気がある集団です。監督官研修内容及びシステムについては、中国主催団体からも非常に高い評価を受けています。
・教育コーチング事業10年目
今年で10年目を迎えた『教育コーチング事業』は、学習塾はもちろん、学校教諭・キャリアカウンセラー・留学エージェント業界・スポーツ界といったさまざまなフィールドへ広がりつつあります。木村副会長の下、小山委員長を中心に、教育コーチングに携わるたくさんのスタッフの献身的な精進・努力により、一昨年(2013年)の文部科学省教育再生実行会議の提言書にも、『コーチング』ということばが初めて登場いたしました。現在の教育現場に求められる教育メソッドとして世の中に受け入れられていく様子が伺えます。
また、公教育(教諭)と民間教育(学習塾の先生)とが垣根を越え一体となり、参加者200名を超えるボランティアイベント「第4回全国教育コーチングフェスティバル」を開催し、大成功を収めました。このフェスティバルは当事業最大のイベントですが、この大成功も会員のみなさまの『架橋力』が発揮されたと結果と認識しております。
・20周年記念・台湾教育事情視察
最後に、記憶に新しい昨年末、設立20周年記念行事として行いました台湾教育事情視察研修についてご報告いたします。
荒井副会長の企画の下、屏東縣私立南榮國民中學、高雄日本人学校、そして学習塾安親班(台湾式学童保育)を視察し、現地教育社との交流が実現いたしました。どれも参考になる体験でしたが、特に大歓迎を受けた私立南榮國民中學との交流は印象に残っております。
これも荒井副会長の国際交流(『架橋力』)の賜物で、長年交流を積み重ねてこられた結果、今回は数時間の滞在にも関わらず、内容の詰まった時間を過ごすことができました。国際交流のお手本を体験した時間でした。
このように、昨年一年間だけを振り返ってみましても、我が協会組織の内に、皆様が『架橋力』を発揮できるそれぞれのチーム(委員会)は、整ってきたと感じております。 そこで27年度は、各委員会は、会員の皆様が参加しやすい、わかりやすい環境づくりを目指していきたいと思います。
まず、会員同志でつながり、交流をもち、一組織で成し遂げられない活動が創出できた時、大きな力で社会への教育的貢献を実現できる訳です。
皆様の力、新しい力を集結して、チャレンジの年と位置付けたいと考えております。
会長 増澤 空 |